第493回東京例会のご案内
2024年 02月 13日
《Zoomによるオンラインで開催します》日時:2024年3月2日(土)14:00より内容:《研究発表》題目:『立烏帽子』とその関連説話―『庭訓往来抄』から『田村三代記』まで― 安藤 秀幸 氏要旨:萩野由之編『新編御伽草子』に収載されている『立烏帽子』は、素性が不明の掌編である。その骨子は「鈴鹿山で悪事をなす立烏帽子という化女を討伐するため田村将軍が向かうものの、当の立烏帽子と恋仲になり、彼女の夫である悪鬼阿黒王を討つ」というものであり、室町物語『鈴鹿の物語』(『田村の草子』)などと関係が深い。この作品と同文的同話が寛永八年刊『庭訓往来抄』蟇目注説話にあり、原拠と考えられることは市古貞次氏による指摘がある。また、類話が伊勢国の地誌『勢陽雑記』をはじめ諸書に見られることは先学により指摘されてきたものの、それらと『立烏帽子』ないし『庭訓往来抄』がいかなる関係にあるのかについて問題にされたことはなかった。本発表ではそれら説話の書承関係を検討する。また、同説話の影響と考え得る描写が奥浄瑠璃『田村三代記』にも見られることから、近世における立烏帽子説話の受容について考察する。《研究発表》題目:室町時代後期における米光説話の系譜―月舟寿桂と鷹書の接点を軸として― 二本松 泰子 氏要旨: 天正年間(1573~1592)に成立したとされる『月庵酔醒記』には「月舟ノ記」という書名が見える。これは、柴屋軒宗長が著した『宗長日記』の大永4年(1524)の記事や寛文八年(1668)に福住道祐が著した『宗長居士伝』の叙述より、宗長が月舟寿桂に依頼して執筆させた『養鷹記』と称する鷹書とされている。宗長は越前国の戦国大名である朝倉義景に謹呈するための鷹書を月舟に執筆を依頼して『養鷹記』が成立したとされ、それが『月庵酔醒記』に見える「月舟記」に該当するというのである。実際のところ、『月庵酔醒記』に引用されている鷹の記事は現存する『養鷹記』と重なるものが多い。そのように両書において重複する記事の中には米光説話も見える。同話は中世以降に流布した鷹の伝来説話の一種で、百済国の米光という鷹匠が本朝に鷹と犬を伝え、政頼に鷹術を教えたとする物語である。 本発表では、このような室町時代後期の五山僧である月舟寿桂が鷹書の執筆に関わったこと、その叙述に米光説話が含まれることについて注目し、その執筆背景の具体相を検証する。それによって月舟の「多岐にわたる」(田中尚子氏「月舟寿桂と医学―『幻雲文集』に見る五山と医家の接点―」、「駒沢女子大学研究紀要」第20号)学問分野での活動の一端として放鷹文化との接点があることを明らかにすることを目指す。*参加をご希望の方は、最下段のフォームにて【2月28日(水)までに】 < tokyoreikaidensho@gmail.com >宛に返信してください。前文等は不要です。*返信のあった方には、前日(3月1日)にアクセス情報と発表資料配布方法を連絡します。*新規参加者にご紹介くださる場合は、参加申込についてもご案内ください。*東京例会での発表をご希望の方は、下記連絡先へお知らせください。*次回東京例会は4月27日(土)に開催する予定です。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::《例会連絡先》青木祐子tokyoreikaidensho@gmail.com::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::***オンライン参加申込フォーム***氏名:所属:メールアドレス:***************************************
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by densyoubungaku
| 2024-02-13 23:23